青柴垣神事

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地上から天上界へ。一年間精進潔斎した当屋と町民が紡ぎだす、事代主神の再生物語

美保関町の美保神社で、毎年4月7日に行われる神事です。 美保神社の祭神、事代主命(ことしろぬしのみこと)(恵比寿さま)が、大国主命から国譲りの相談をうけ、譲ることに決定した後、自ら海中に青い柴垣を作ってお隠れになったという故事にちなんだ祭り。

一年前に当屋(とうや)を決め、一年間の精進潔斎の後、当屋は祭礼前日から同神社の隠殿にこもって物忌潔斎に入り断食、神がかった状態で当屋行事にのぞみます。

この当屋夫婦を、青柴垣を飾った2隻の船に乗せ、港内を一周。そののち美保神社に参拝、奉幣する。当屋達の乗る船は、二間四方の囲いを設け、四隅の柱に榊を立てる。もとはこの囲い自体が榊であったということです。

国譲り神話

美保神社は美保関の中央部にあり、大国主命(だいこく様)の長男、事代主命(えびす様)とその母神三穂津姫命をお祀りする二殿連棟(美保造り)の特殊なお社です。

事代主命は父神を助け、国土経営、産業福祉の開発に尽くしていました。 天孫降臨に先立ち、高天原の使神建御雷之男神が出雲国稲佐の浜に下り、大国主命に「この国を皇孫に奉れ」と伝えたとき、大国主命は「出雲の国の祭事は美保関に住む長男の事代主命がおこなっておりますので、長男の意見を聞いてからお答えします」と申し、使神を諸手船によって美保関に遣わし、意見を求めたのです。

事代主命は父神に対し「この国は天つ神の御子に奉り給へ」と答え、大国主命はその意見通り国土を皇孫に奉献しました。このことは国譲りとして現在なお伝承されており、青柴垣神事及び諸手船神事はこの国土奉献(国譲り)に起因して行われる神事です。

神事の大要

天孫降臨に先立ち、天神の使いの神が出雲の国にお降りになり、大国主神(出雲大社御祭神)に「この国を天神に奉れ」とお伝えになった。その時、御子である事代主神(美保社御祭神)はたまたま美保碕で魚釣りをしていたが、父神のお尋ねに対し「畏しこの国は天神の御子に奉り給え」と奉答され、海中に青柴垣を作り、天逆手を拍ってお籠もりになった。青柴垣神事は大国主神がその言葉通り国土を奉献されたと伝えられる「国譲り」の故事に因む神事で、事代主命の恭順忠誠のご事蹟を偲び、海中に青柴垣の御船を浮かべて奉仕するものである。

3月31日夜、この神事に奉仕する當屋2名が神前に神楽を奏した後、参籠に入る。

4月1日から5日まで神事を奉仕するための神職、氏子の種々の行事が行われる。 *祭器の調整、神饌調理、神事の習禮、當屋の人員編成(これを人別という)、諸役の決定、社頭および當屋の輔設、潔斎等)

4月6日夕刻、 庭燎の赫々と燃える裡に宵祭りが執り行われ、百台にあまる神饌の献供がある。

7日当日午後、氏子の諸役人が拝殿に祇候、宮司以下神職は昇殿する。開扉、奉幣の儀に続き巫女舞が奏せられ、やがて二ノ當屋より先頭に甲冑の警固、獅子、惣領、四神鉾、金幣、日像、月像、真幣(白鉾)、二ノ當屋、脇當屋、總上官と行列を整え、お迎えのため社頭に参向する。

宮司は氏子の頭人及び巫女を随え、威儀を正してお迎えに加わり、一ノ當屋に至り、御注連懸供膳三献の儀を行い、引き続き二ノ當屋に至り同様の儀式を行い、終わって本社に帰参する。その行列はお迎えの行列と同様である(これを御解除という)。*御解除 ~ 當屋、甲冑の警固(3人)、獅子頭、編木(4人)で構成される行列。

次に両當屋附き上官各々一名が金幣を持って御船下向のお迎えに参る。神職は波剪御幣を納めた辛櫃を奉じて、一ノ御船、二ノ御船に分乗し、當屋は當屋附きの氏子と共に御供辛櫃、種々の祭器を捧持して御船に分乗する。御船は両當屋に分かれて二隻である。

6日に四隅に榊をつけ、三方と天井を筵で覆い、周囲に幕を回し五色旗、大龍、大小旗をもって飾り、周囲を忌竹及び注連縄で囲む。

*忌竹~神事のとき不浄を防ぐために斎み清める場所に立てる竹。葉のついた青竹に注連縄を張り四手をたらす。

やがて神楽船より起こる奏楽の調べと共に掛け声勇ましく、綱捌きにより二隻の御船を港の中心に引き寄せ一気に宮灘に引き寄せる。そして御船より各々一名が拝殿に馳せて着船の由を申すこと三度、次いで拝殿より天鈿女命と猿田彦命の面役が宮灘に下向(但し、猿田彦は鳥居際まで)、御船を迎えて帰殿する。

次に巫女は編木と共に宮灘に下向、御船に分乗して古式の巫女舞を行い、次いで總員御船より上陸する。 御船より上陸した行列は一ノ當屋、二ノ當屋が相並び甲冑の警固を先頭に、惣領、獅子、編木、巫女、太鼓、笛、小忌人(當屋の妻)、鏡板、四神鉾、波剪御幣辛櫃、神職、大麻、御供辛櫃、日像、月像、奉幣鉾、真幣、當屋、脇當屋、金幣の順で、編木の田楽舞と鼓笛の音につれて徐々に進み、拝殿下に到着。

波剪御幣 海難はもとより水の災い、火の災い、病など突然降りかかる人生の厄災を除いてくれる御幣として幅広く信仰され、授与されている。
日像 3本足のカラスが描かれている
月像 ウサギが餅つきをしている様子が描かれている月像の奉幣鉾

直ちに御供を両殿に供し、両當屋が拝殿に於いて相次いで奉幣し、参列の一同はこれに習い、幣を捧げて拝禮する。

次に宮司が本殿より下り、拝殿當指の座に着き、新當屋の指名をする。次に閉扉、宮司は拝殿の本座に復す。続いて両當屋附きの氏子各々一名が進んで宮司にお慶びを申す。次いで、御船番の舞、當為知の相撲があり、終わって退下して当日の神事は終了する。

翌8日は後宴祭と称し、宮司が準官の中から末社客人社に附属する新客人當を指名し、終わって宵祭り及び神事に御供えした神饌を撤下して、神事に供奉した氏子一同に頒賜して退下し、真魚箸式(直会)を行う。

概略は以上の通りであるが、この神事は御船行事として全国的に有名であり、数々の習俗と故実が含まれ、また神饌に草餅を供し、神饌祭器等に桃の小枝を刺榮したりする例で三月節句の季節的な色彩と感覚が盛られている。

當屋(一ノ當屋、二ノ當屋) 事代主命の役 厳しい精進潔斎を続け、祭礼前日からは神社の隠れ殿にこもって断食。顔は真っ白に化粧され、額と両頬に丸く3点、紅をさす。このように 神がかった状態で神事にのぞむ。
小忌人 當屋の妻(帯を前結びにし、白鉢巻をする)
供人 7~10才くらいの女児
編木 小学生くらいの男児
當為人 御船から出てきた小忌人を担ぐ

開催場所

松江方面から

1.松江駅前ー約40分(一畑バス 美保関ターミナル行)ー終点:美保関ターミナル 時刻表はこちら

2.美保関ターミナルにて美保関コミュニティバスに乗り換え

3.美保関ターミナルー約20分(コミュニティバス)ー美保関(美保神社) 時刻表はこちら

米子方面から

1.JR米子駅ー45分(JR)ーJR境港駅

2.JR境港駅ー11分(コミュニティバス)ー宇井渡船場

3.宇井渡船場ー15分(コミュニティバス)ー美保関(美保神社)

「青柴垣神事」についてのみなさんの声

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