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諸手船神事/受け継がれる信仰心【後編】

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前編に引き続き、いよいよ諸手船神事本祭がはじまります。

諸手船神事本祭

神事会所での膳の後、氏子のみなさんは昇殿し、奉幣の儀、巫女舞が終わった後に、諸手船に乗船する氏子を宮司によってくじで決める神鬮(みくじ)が行われます。

そこで行われるのが御神籤奪ひ(おみくじうばい)。当たった人が老人や体調が悪い人など場合、吾れも人もと代理になろうと神職の渡す服を奪い合います。

神事会所にて乗船の準備

乗船が決まった氏子さんは会所にて着替えます。お爺さんが中年氏子の服を仕上げます。まるで家族のようです。

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N垣くんが男らしくみえてきました。ワイルド〜。

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諸手船に分乗し、船を漕ぎ出し湾の東にある客人山下に船を並べ客人社を礼拝します。そしてどちらが早く着岸するかを「ヤアヤア」と掛け声を掛けながら競争をして帰港。着岸とともに水を掛け合います。これを三度繰り返します。

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應答祝言の儀

神事の前に、語り部の里代表の三代暢実さんに神事の見所を聞いてみました。そこでお話されたのが應答祝言の儀。

実際の様子はこちら

その後、会所に戻り着替えた後に再度昇殿し、神社よりお米等を頒賜(はんし)いただきます。

例年よりも暖か目だとは言え気温が下がる夕方、びしょ濡れた服でも清々しい表情で帰ってくる氏子さん達。

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最後に、神事会所にて宮司さんを前に真魚箸式という不思議な儀式があります。

残念ながら後ろにいたの見えないのですが、箸で鯛を抑えて、木で作った包丁で捌くそうです。そして今度は宮司さんを中心に膳を全員で食します。

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以上で神事は終了です。

朝8時頃から夜の7時頃まで、長時間に渡る神事でした。ただこの神事は当日だけでなく、11月27日から始まっているそうですので、数日に渡る長い神事です。

ディープなところが面白い

諸手船神事と言えば、国譲り神話にちなんだ神事と水を掛け合う写真とともに流れるニュースが思い浮かびますが、実はそこはほんの一部分。当日だけでも、氏子の方々と共に神事を眺めると、長い工程と各部分にたくさんの意味が込められていることに気づきます。

自信と誇りの源は、神と共に日々を皆で生きること

前編で挙げましたテーマ。氏子の「自信と誇り=プライド」が伝わりましたでしょうか。

「美保神社の研究」(和歌森太郎著)によると、地元に残る嘉永4年(1851年)1月の記録に、三穂津姫命に仕えるのが宮司、事代主神に仕えるのが頭人(とうにん、氏子の長)と記載があるそうです。つまり、今とは違い、昔は氏子自身が神主として神と直接交通をしていたということです。

日々の海中でのミソギ、不浄なことをしてはならない、人混みに入ってはならない、鶏肉と卵を食べてはならない、断食等。様々な厳しい修行を4年間行った頭人に、神が憑りつく。

その集団が美保関の氏子ということです。昔と今のやり方が違うにしても、自信がないわけがありません。まさに自信と誇りの源は「神と共に日々を皆で生きる」こと。

今時の言葉で表すと、この神事はパワースポットではなく、パワーイベントです。

見ている人にも神様の恩寵が届くほどの自信に満ちあふれた神々しい神事を来年も期待します。

諸手船神事/受け継がれる信仰心【前編】はこちら

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